🗻富士山と駿河湾、そしてその間を走る東名高速道路やJR東海道本線——。

まるで絵はがきやドローン映像のようなこの風景、実は静岡市清水区・由比にある「薩埵峠(さったとうげ)」の展望台から実際に眺めることができます。
江戸時代の旧東海道沿いに位置するこの峠は、富士山を望む絶景スポットとして知られ、ハイキングや写真撮影の人気スポットです。
2022年に発生した土砂崩れによる通行規制は、2025年1月下旬に復旧・規制解除となり、展望台への立ち入りが可能となりました。
薩埵峠とは?富士山×海×東海道の絶景スポット
静岡市の興津と由比の間に位置する薩埵峠(さったとうげ)は、富士山と駿河湾の自然美に、東海の大動脈といわれる主要インフラ・東名高速道路とJR東海道本線を一望できる人気の絶景スポットです。

天気の良い日には、青く澄んだ海と空の間に富士山のシルエットがはっきりと浮かび上がり、まるで空から地上を眺めるような光景も、訪れる人の心に強く残る印象を与えてくれます。
地元民のみならず、県外から観光で来る人にとっても、日帰りのハイキングや写真撮影におすすめしたい、静岡らしい唯一無二の絶景ポイントです。
☀️ ベストシーズンは秋〜春、朝の時間帯が狙い目
薩埵峠は一年を通して楽しめる絶景スポットですが、特におすすめの季節は空気が澄んだ秋以降から春まで。
❄️ 特に冬〜春先(12〜5月頃)には富士山の積雪が多く見られ、より美しいシルエットを望むことができます。

晴れた日の朝方なら、日の出の時間帯に柔らかな黄金色の光が富士山と海を照らし、幻想的な風景が広がります。
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さらに運が良ければ、海に漂う霧や山肌に落ちる光の陰影が、写真映えする一枚を演出してくれるかもしれません。

🖼 江戸時代の浮世絵にも描かれた風景
この薩埵峠の絶景は、江戸時代の浮世絵師・歌川広重が『東海道五十三次』の「由井 薩埵嶺」で描いたことでも知られています。
断崖の道を歩く旅人たち、その背景にそびえる富士山と駿河湾——。

およそ200年前に描かれた構図は、今なおほとんど変わらず私たちの目の前に広がっています。
✅ 展望台駐車場からの景色が、浮世絵で描かれている構図と似ているような気がします↓

広重が見た場所に立ち、同じように富士山を眺めることができた体験は、歴史と現代のつながりを感じる貴重な瞬間でした!
薩埵峠へのアクセス
薩埵峠は、静岡市清水区の由比・興津エリアに位置しており、展望台付近の駐車場へは、車でのアクセスが便利です。
公共交通機関を利用する場合のパターンもありますので、それぞれ解説します。

🚗 車で行く場合
JR興津駅またはJR由比駅からは車で約10〜15分、展望台の近くには無料駐車場があります。
ただし、駐車スペースは台数が少ない(約8台)ため、土日や行楽シーズンは朝早めの到着がおすすめです。

🚗 駐車場まではすれ違い困難な細い道がありますので、運転には十分ご注意ください。

🚃 電車+タクシーで行く場合
公共交通機関を利用する場合はJR興津駅で降車し、駅前から展望台駐車場までタクシーで10分程度です。タクシー乗り場は駅を出て左手にあります。

展望台駐車場の周辺でタクシーを見つけるのは難しいため、帰りは由比駅まで約50分のハイキングコースを歩きながら風景を楽しむのがお勧めです。
ハイキングコースの詳細については、次のセクションにて解説します。
歩いて楽しむ薩埵峠ハイキングコース
👟 薩埵峠は展望台からの絶景が有名ですが、実はハイキングコースとしても多くの人に親しまれています。
JR興津駅から展望台を経て、JR由比駅まで歩く全ルートは、自然美と歴史を感じられる約90〜100分のコースです。

また、時間や体力に応じて、興津駅から展望台までのコースを短縮して楽しむこともできますので、あわせて参考にしてみてください
🚶♂️所要時間とルート概要
ハイキングコースは、JR興津駅を出発点に、薩埵峠展望台を経てJR由比駅までをつなぎ、旧東海道を通る全長7km弱のルートです。
- 興津駅〜展望台(上り坂):約40〜50分
- 展望台〜由比駅(下り坂):約50分
興津駅から薩埵峠ハイキングコースの入口までは、徒歩約30分です。
🧋 意外と長い道のりなので、途中にあるコンビニエンスストアで休憩したり、水分補給のための飲料を補充しておくことをお勧めします。

ハイキングコースに入れば各所に案内標識などもあり、ほぼ一本道なので迷う心配はほとんどありません。

✅ 静岡市が作成したハイキングマップもあるので、出発前にチェックしておくと安心です。

🌿 富士山と海、そして旧東海道の風情を味わう
ハイキングコース序盤では登り坂を歩くのが少し大変ですが、高台に上がるにつれて駿河湾と東海道が眼下に広がり、地上を見下ろす爽快さが楽しめるルートです。
📷 展望台に近づくにつれて、目の前に広がる絶景を独占しているかのような高揚感から、思わず足を停めて写真を撮りたくなることは言うまでもありません。
さらに、由比エリアに近づくにつれて、歴史を感じる町並みや石碑、東海道あかりの博物館などが点在しており、江戸時代の名残を感じながら歩くことができます。

✅ 公衆トイレは興津側のハイキングコース入り口と、展望台の駐車場に整備されています。

📷 タクシーで展望台まで!楽して絶景を楽しむ方法
「上り坂が不安」という方には、タクシーを利用した“片道ハイキング”がおすすめです。
滞在できる時間や歩く体力に応じて2通りの方法があります。
ルート①:JR興津駅→展望台駐車場までタクシー(約10分)
展望台駐車場で車を降りれば、すぐ近くの展望デッキまで徒歩2〜3分。
そこから由比駅まで下りメインのハイキングだけを楽しんで、所要時間を約半分に短縮することができます。(約50分)。

ルート②:JR興津駅→ハイキングコース入口(薩埵峠入口)までタクシー(約7〜8分)
薩埵峠入口から展望台までの上り坂は徒歩で約10〜15分と比較的短く、海の眺望が爽快な山道を散策気分で歩くルートです。
興津駅から薩埵峠入口までは約2km、所要時間約30分なので、ここまでタクシーを使うことでハイキングコースのメインは楽しみつつ、時間の節約と体力の負担を軽減できます。

⏬ 登山口の入り口看板は少し分かりにくいため、あらかじめGoogleマップなどで場所を確認しておくと安心です。
🍺 ハイキングの締めくくりは、名物・桜えびのかき揚げで
ゴールとなる由比駅周辺には、地元の食材を使ったこぢんまりとした食堂が点在しています。
私もハイキング後に立ち寄り、名物の桜えびのかき揚げでひと息。歩いたあとの体にしみわたる、まさに“ごほうびの一品”でした。

ハイキングとあわせて、静岡の味もぜひ楽しんでみてください。
以下、私がハイキング後に訪れたお店の情報です。
まとめ
2025年1月下旬以降、薩埵峠のハイキングコースでは、2022年の土砂崩れ以来続いていた通行止めが解除され、全ルートが通行可能となっています。
富士山と駿河湾を一望できる絶景に加え、旧東海道の歴史を感じられるルート、そしてゴール後に味わう由比のご当地グルメ——このハイキングは、まさに“静岡らしさ”を凝縮した体験です。
タクシーを活用したアクセスも可能で、体力に応じて選べるルートにより、登山初心者から旅行者まで気軽に楽しめるのも魅力のひとつ。
静岡を訪れるなら、ぜひこの機会に、自然・歴史・グルメが三拍子そろった薩埵峠ハイキングを体験してみてください。